須田一政(150708-0802)

須田一政 写真展

走馬灯のように

〜釜ヶ崎 2000-2014〜

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釜ヶ崎2000年

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釜ヶ崎2014年6月

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釜ヶ崎2014年8月


【展覧会概要】

ブルームギャラリーでは、7月8日より須田一政写真展を開催します。

須田一政は、これまで2000年と2014年の6月・8月に大阪の釜ヶ崎を訪れ、街を撮影しました。
本展では、2000年・2014年6月・2014年8月に撮影した写真の中から厳選した約15点を展示いたします。これらの写真を時系列に観ていくことで、釜ヶ崎の街の変化とともに、須田自身の視線の変化を感じることでしょう。

また、常設展示コーナーでは、本展覧会の元となる写真集「走馬灯のように:釜ヶ崎2000〜2014」をはじめとする豪華版写真集を販売します。
関西ではなかなか見ることができないこれらの写真集を是非お手に取ってご覧ください。

皆様のご来廊を心待ちにしております。


【作家コメント】

2014年、釜ヶ崎を撮ってほしいという依頼を受けてその地を訪れた。つい引き受けてしまった体で大阪の知人に相談し、カメラは極力目立たないコンパクト なものをというアドバイスをもらった。にもかかわらず、持参したのは中判カメラ2台。否が応でも目立つ。考えるまでもなく、私は社会性がある人間とは言え ない。社会に対して使命感も持ったことがない、「傍観者」と評されたこともある写真家である。単なる初老の不審人物だ。当たり前に、撮影中は絶えず住人た ちの鋭い視線と、警告めいた大声を浴びることになった。

実はこれまでも釜ヶ崎を何度か訪れている。街の強い臭気や男たちのえぐるような眼光を身に受けながら、私の心に残ったのは、不揃いなベニヤ板で作ったねぐ らに飾られたリカちゃん人形や男の手に握られていた色っぽい女の生写真であった。あいりん労働福祉センターで共に空腹を満たしていると、まるで御堂の中に いるような幻想を抱いたこともある。しかしながら、釜ヶ崎は私の撮影対象の主になることはなかった。あくまで飛田や新世界の撮影の延長として立ち寄ってい たのである。

今回の撮影をきっかけに、ネガのまま眠っていた2000年の「釜ヶ崎」を引っ張り出して、14年を経て初めて対面することになった。依頼をもらわなければ 本人の眼にも触れなかったろうこの作品を、同時に発表することになったのは思いがけない喜びである。比べてみれば釜ヶ崎は徐々に変わりつつあった。しか し、何より変化しているのは私自身の視線の行先なのだと気が付いた。街はこちらの意識の在り様で姿を変えるのだ。

── 写真集『走馬灯のように:釜ヶ崎2000~~2014』より抜粋

– 展覧会会期 –

2015年7月8日(水) ー 2015年8月2日(日)

※会期中(7/22以降)に一部作品を展示替えします。

水曜日:16:00 - 22:00(ナイト営業)|木–日曜日:13:00 - 19:00
月・火曜日定休

– 関連イベント –

作家トークイベント

須田一政氏によるトークイベントを予定しておりましたが、会期中での開催を延期し、単独イベントとして別途日程を設ける運びとなりました。詳細が決まりましたらホームページ等でお知らせさせていただきます。よろしくお願いいたします。


作家紹介 Artists


須田一政(Suda Issei)
1940 年東京生まれ。1967年から1970年まで寺山修司が主催した劇団天井桟敷の専属カメラマンとして活躍した。1997年に写真集「人 間の記憶」で第16回土門拳賞を受賞した。主な著作は「風姿花伝」、「わが東京100」、「人間の記憶」、「民謡山河」など。