池本喜巳(150820-0920)

池本喜巳 写真展

幻影床屋考


● 同時開催!! 大阪ニコンサロンにて「池本喜巳写真展 近世店屋考」を開催。 
  会期:2015.8.20-8.26 詳細はこちら

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【展覧会概要】

ブルームギャラリーでは、8月20日より池本喜巳 写真展「幻影床屋考」を開催します。

鳥取生まれの池本喜巳は、鳥取市を拠点に精力的に活動する写真家です。
地元の風景や風土、人物などの山陰の記録を撮り続けた池本は、1983年より山陰の消えゆく個人商店を記録した『近世店屋考』シリーズを撮り始めました。本展では池本のライフワークともいえる『近世店屋考』シリーズの中から床屋に焦点をあてた展示をします。

床屋は池本にとって近世店屋考シリーズを撮影するきっかけになった場所であり、そこに集う人々と店主との関係性、使われている道具など、作家自身が「とこ屋の不思議」と話すほど、1つの商店としてもとても興味深い場所でもあります。
今回、未発表の作品なども展示することで、近世店屋考における より深い考察を鑑賞者にも感じとっていただければ幸いです。

また、会期中には2つのイベントを開催。
2015年8月22日には、池本喜巳氏によるスライド上映&トークイベント、9月12日には、ゲストに都築響一氏をお招きし、ギャラリーディレクターを交えた3名でクロストークを開催します。

是非ともご高覧ください。 


【作家コメント】

1983年鳥取市内から東へ30kmほどにある青谷町は赤瓦の古い町並みの残るいい感じの所だった。
町の中央を流れる日置川にかかる木造の橋を、カメラを肩にぶらぶら渡り切るとT字路があり、角店のガラス戸が開けはなされていた。中をのぞくと以外にも床屋だった。河田理容店といった。

入口にはこわれたロボットのようなストーブが店の前にデンと居座っていて、奥には四畳半ぐらいの雑然とした畳の間があり、なぜか4台のテレビが置いてあった。右側の棚にはハサミ、バリカン、カミソリ、黒ずんだパフが並んでいて、その上には店主そっくりの老猫が眠そうに窓の外を見ていた。「こんな店がまだあったのだ」タイムスリップした感覚に「撮影させてください」と主人にお願いしながら、すでにシャッターを切っていた。店主の河田さんはチョボヒゲをはやした気のいいおやじさんで、やがてお客さんもやって来て理髪を始めたので、記念写真までお願いした。夕方までかかっておやじのにおいのしみ込んだ店内をあかず眺め記録した。

それからはやたらと昔ながらの床屋が気になった。県内をあちこち歩いては「この村に床屋はありませんかと聞いてまわった。中国山脈最高峰の大山山麓二本松にあった床屋は10人近い近所の人が碁を囲んでいて、床屋なのか、碁会所なのかわからない感じだった。まさに江戸時代からの社交場としての床屋の残像がここに存在していた。

やがて幻影床屋考は消えてゆこうとしている古い個人商店へと撮影を広げていった。

── 池本喜巳

– 展覧会会期 –

2015年8月20日(木) ー 2015年9月20日(日)

水曜日:16:00 - 22:00(ナイト営業)|木–日曜日:13:00 - 19:00
月・火曜日定休

– 関連イベント –

①池本喜巳スライド上映&ギャラリートーク
【 テーマ:ローカル写真家のひそかな楽しみ 】

 日時:8月22日(土) 16:00-18:00
 参加費1000円(ドリンク付) 定員20名

 ※トーク終了後の18時からオープニングパーティーを開催(無料)
  どなたでも参加いただけますのでお気軽にお越しください。

②クロストーク(池本喜巳×都築響一×窪山洋子)
【 テーマ:3人で語る近世店屋考と床屋談義 】

 ゲスト:都築響一氏

 日時:9月12日(土)16:00-18:00
 参加費:1500円(ドリンク付) 
 定員:20名(予約優先)


作家紹介 Artists


池本 喜巳
Ikemoto Yoshimi

1944年鳥取市生まれ。
1967年日本写真専門学校卒業。70年鳥取市にて池本喜巳写真事務所設立。77~96年植田正治氏の助手を務める。主な写真展(個展)に、84年「そでふれあうも」(銀座ニコンサロン)、86年「近世店屋考1985~1986」(ポラロイドギャラリー/東京)、87年同展(ピクチャーフォトスペース/大阪、アムステルダム・ロッテルダム/オランダ、ローマ・ミラノ/イタリア)、93年「ジェームスの島」(銀座ニコンサロン)、2000年「近世店屋考」(JCIIフォトサロン/東京)、01年「写された植田正治〈天にある窓〉」(植田正治写真美術館/鳥取、JCIIフォトサロン/東京)、13年「素顔の植田正治」(ブルームギャラリー/大阪)などがあり、グループ展に00年「21世紀に残したい自然」(東京都写真美術館)、04年企画展「現代の表現 鳥取VOL.2 平久弥・池本喜巳 Painting & Photography -Presence-」(鳥取県立博物館)などがある。

主な写真集に、『そでふれあうも』(93年 G.I.P. Tokyo)、『大雲院 祈りの造形』(96年 大雲院)、『池本喜巳作品集 鳥取百景』(99年 鳥取銀行)、『池本喜巳写真集 三徳山三仏寺』(02年 新日本海新聞社)、『近世店屋考』(06年)、『そでふれあうも 2』(14年 以上合同印刷㈱)、『因伯の肖像』(14年 今井印刷㈱)などがある。

その他の活動に、2005年愛知万博の瀬戸会場「愛知県館」にて海上の森を撮影した作品を上映、13年NHK日曜美術館「写真する幸せ植田正治」にゲスト出演。